関西病虫研報(38)7778(1996)短 報 Proc Kansai Pl Prot (38) 7778 (1996) 77 ナシ輪紋病菌とナシ枝枯病菌の ニホンナシ果実に対する病原性の差異 新田浩通 ・小笠原静彦 (広島県立農業技術センター果樹研究所) 広島県の中北部地域では,幸水を基幹品種とした大輪紋病 (果樹/ナシ) 収穫間際や収穫後の貯蔵中、あるいは輸送中に発病して果実を腐敗させる病害である。 果実を腐敗させるほか、枝に発病して特徴的なイボ病斑をつくることから別名イボ皮病の名ナシ黒星病・輪紋病の防除に関する知識 黒星病の防除 i 発生生態編;
セイヨウナシ及びニホンナシ輪紋病のいぼ病斑に対するチオファネートメチル塗布剤 処理による伝染源の密度低下
ナシ輪紋病菌
ナシ輪紋病菌-ナシ 輪紋病 主枝上のいぼ病斑 2年枝でのいぼ病斑 果実被害 果実病斑の切断面 果実,枝,幹などに発生します。果実では同心輪紋の病斑を生じ,果肉が軟化,腐敗するため,実害が大きい病気です。ナシ黒星病及び輪紋病防除の殺菌剤削減体系 要約黒星病及び輪紋病の重要防除時期を中心とした殺菌剤の散布と耕種的防除法 を組み合わせることで,殺菌剤散布回数を現在の茨城県ナシ病害虫防除暦より30% 程度削減することが可能である。
ナシ輪紋病の防除に関するツール i 発生生態編 1.柄胞子の飛散の推移 飛散開始時期 4月下旬か5月上旬 飛散盛期 6月上~7月上旬まで 飛散終期 8月下旬 2.果実への感染 感染に要する温度と濡れ時間 ?病害虫図鑑 ナシ輪紋病 印刷用ページを表示する 掲載日:年4月1日更新 1 病原菌 学名 Botryosphaeria berengeriana de Notaris fsp piricola Nose 2 被害の様子 果実:熟期の1か月程前から、果点1個を中心にして、そのまわりに形1~2mmの黒褐色でへこんだ病斑ができる輪紋病 感染部分の生命力が弱くなる。 感染箇所の壊死。 枝の感染部 へ 収穫時期に表皮から腐敗する。 果実の感染部 へ 感染部分の表皮の除去。 感染した場合、収穫時期まで判断できず対処できない。 感染した枝で越冬する。
セイヨウナシの各品種やニホンナシの主要品種である幸水は、輪紋病に罹りやすく、 成熟果に腐敗症状が発生して販売上の問題となる。 本病の伝染源であるいぼ病斑は、 枝上に多く形成されており、気象条件によっては、果実感染が助長され、多発を招く輪紋病 Botryosphaeria berengeriana de Notaris fsppiricola 1.生態と防除のねらい 新水、幸水、豊水、菊水、新興、新高、長十郎などに多く発病し、特に無袋の幸水、豊水に被害が大きい。ほ場における発病初期は8月中旬以後で発病盛期は9月中旬頃である。九病虫研会報(1994) Proc Assoc Pl Prot Kyushu 40 7074 (1994) ナシ輪紋病の新梢及び果実への感染時期 古賀 敬一・大久保宣雄(長崎県果樹試験場) Infection period of Physalospora canker, Botryosphaeria berengeriana f, sp piricola, on the new shoots and fruit of Japanese pear
果実の病徴;輪紋状になる 作物名 なし 一般名称 輪紋病 学術名称 Botryosphaeria berengeriana de Notaris fsp piricola (Nose) Koganezawa et Sakuma 症状 果実、葉、枝幹に発生する。 果実では収穫期頃に急に発生し、褐色の円形病斑が次第に拡大して同心輪紋になることが多い。ナシ幸水での輪紋病の発生実態と防除上の問題点 内 田 和 馬 茨城県におけるナシ栽培は,近年の消費動向 1発生と気象との関係 の変化にともなって,幸水を主体とした新品種 の導入更新が進み,これら新品種の栽培が定着 しつつある。ニホンナシ輪紋病は、収穫後の貯蔵中に発病することが多く難防除病害であるが、本病に感染している果実であっても、貯蔵温度を0~4度Cに設定することにより発病を抑制できる。 担当機関 福島県果樹試験場 病理昆虫部 連絡先 02 区分 (部会名
ナシ (梨), ホクシマメナシ (マンシュウマメナシ), ニホンナシ, チュウゴクナシ Pyrus spp 病名 輪紋病 病名読み rimmonbyo 病名異名 いぼ皮病 ibokawabyo, 瘤状粗皮病 病名英名ナシ輪紋病の主な感染時期は6月下旬~7月中旬頃の梅雨期であるが、 発病するのは収穫期近くになってからであり、発病してからの防除対策はない。 そこで本病原菌に対する果実感受性の変化を明らかにすることによって、 薬剤防除の効率化を図る。